燃料をつり下げたクレーンはロックがかかる仕組みで、作業中に地震が起きても取り落とさない設計になっている。さらに、仮に落下しても、放射性物質が拡散することはないという。だが、プール内で燃料を収めている設備が損傷し湾曲などがあれば、燃料が引っかかって取り出せない「かじり」と呼ばれる問題が発生する恐れはある。
規制委の田中俊一委員長は11月6日の記者会見で「取り出す過程で燃料の小さな傷から希ガス類が出るリスクも考えている」と述べ、監視を強める考えを示した。
燃料に目立った破損や腐食がないことは確認済みだが、細部は作業時に目視で1体ずつ確認するしかない。予期せぬ問題が生じる可能性も否定できず、順調に作業を進められるかは不透明だ。(SANKEI EXPRESS)