≪不安残し… 廃炉工程「第2期」へ≫
4号機では、燃料回収が始まれば、廃炉作業はいよいよ“本丸”へ歩を進めることになる。4号機は水素爆発で原子炉建屋上部が損壊。上部を覆うように燃料取り出し用の巨大なカバーが取り付けられ、事故前の建屋よりも一回り大きくなった。カバー設置に使用した鋼材は約4200トンで、東京タワーの鋼材に匹敵する。カバー内部にある燃料貯蔵プールの真上には、取り出しに使う大型クレーンが設置されている。
燃料の上にがれき散乱
東電によると、4号機の燃料は、燃料が原子炉内に溶け落ち取り出しが困難とされる1~3号機と異なり、破損や腐食の可能性は低く、ほぼ事故前の状態で保管されているとされる。現在の技術で回収できるのは4号機の燃料だけだ。
プール近くに立ち入ると、水に濁りはなく水中の燃料が目視できた。目立った破損はなさそうだが、燃料の上にはがれきが散乱していた。最初の作業は、これらのがれきをクレーンで1つずつ取り除くことから始まる。