廃棄を忌み嫌い生活圏の外へと追いやりつつも、捨てられたものを再利用し、遺跡や廃墟に心惹かれ、破壊に快感を感じてきた人間の、「廃棄」をめぐるまさに両義的な関わりがおもしろい。
建物も計画通りに竣工したときが完成ではない。周囲の風景に馴染み、風雨にさらされて古びた姿が魅力となり、解体され廃棄されるときもそれがきちんと分別されれば資源となる。その経過を見通して作ることの必要性が書かれる。
20年以上前の本だが、その内容は現在いっそう実感を伴って読める。リノベーションなんていう言葉も一般化した一方で、人口減少が予想される日本では示唆的な事柄も多い。巻末の都市住民のインタビュー記録を読むと、「未来」のイメージがとても悲観的なことに驚きを感じたりもする。
都市(=人の暮らし)は、真新しく機能的なだけで成り立っているのではないからこそおもしろい。
必然である「変化」
『昭和の東京』は、23区ごとに街角の写真をまとめたシリーズ。
夢中で見入っていると、「古き良き昭和」の作られたイメージとは違った姿に気づく。街路樹は少なく、川にはごみが目立つ(自分の記憶をたぐっても、道も空気もきれいになった)。