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過ぎゆく時間、転ずる価値 柴崎友香 (3/5ページ)

2013.11.13 18:30

(柴崎友香さん撮影)

(柴崎友香さん撮影)【拡大】

  • 「廃棄の文化誌」(ケヴィン・リンチ著、有岡孝・駒川義隆訳/工作舎、3360円、提供写真)
  • 「昭和の東京」(加藤嶺夫著・写真、川本三郎・泉麻人監修/デコ、各1890円、提供写真)
  • 「アメリカン・マスターピース」(柴田元幸訳・編/スイッチパブリッシング、2205円、提供写真)
  • 作家の柴崎友香さん=7月10日(塩塚夢撮影)

 それにしてもなぜ、「昭和」の街の写真は白黒ばかりなのだろう。昭和も後半は一般家庭にもカラー写真がとっくに普及していたはずなのに、この写真集に限らず昭和の街をテーマにしたものでカラーを探すほうが難しい。

 白黒であるだけで、時代が隔たって感じる。昭和20年代と60年代の遠近が縮まって、同じ平面上に見渡せる。平成になっても大都会の真ん中に意外に残っている昔のままの風景を探して収めている写真もあり、新しさと古さが混じり合う。

 物事が一方向に古くなり、価値が減っていくというわけではない。ただ、変化するのだ。しかしその変化が必然であることを、新しいものを生産し続ける人間は忘れがちなだけだ。

 過去の風景は、そこが変化したことによって、以前はこんなだったことに、あるいは、まだ同じものが残っていることにも、意味が生じていく。

 「waste」は重要テーマ

 『アメリカン・マスターピース』に収められているのは、100年以上も前に書かれた短い小説。広く、繰り返し読まれてきたストーリーが、望外におもしろい。

 棚の定位置に落ち着きかけていたものに、翻訳という機会によって新鮮に出会うことができる(日本の近代文学も“現代語訳”がいろいろ出れば楽しそうだ)。

時間の経過、容赦なさを感じ

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