牽引(けんいん)したのは、ヘッジファンドなど海外の機関投資家による“日本買い”だ。東京証券取引所によると、昨年11月中旬以降、今月(11月)初めまでの海外投資家による日本株の買い越し額は12兆7000億円を超える。
「バイ・マイ・アベノミクス(私の経済政策は買いだ)」。安倍首相は9月、ニューヨーク証券取引所での講演で投資家に呼びかけた。日銀の異次元緩和や成長戦略など「3本の矢」を繰り出すだけでなく、市場を重視した政策が米国などの金融緩和であふれた世界の投資資金を東京市場に呼び込んだ。フィデリティの福田氏はアベノミクスについて、「前向きなビジョンを示し、日本の閉塞感を打破した」と評価する。
安倍相場による経営環境の改善は、日本経済を支える企業の業績回復につながった。SMBC日興証券によると、(11月)8日までに2013年9月中間決算を開示した東証1部上場企業1082社の最終利益は前年同期の約2.3倍。業績改善で企業が賃上げや設備投資に資金をまわせば、本格的な景気回復、デフレ脱却が見えてくる。