【だから人間は滅びない-天童荒太、つなげる現場へ-】
≪「アッシュ・ペー・フランス(HPF)」代表 村松孝尚さんに聞く≫
村松孝尚さん(以下村松) 今日はお会いするのを楽しみにしていました。昔、書店で彫刻家・舟越桂さんの作品を表紙に使った『悼む人』を見かけて。舟越さんの作品を使うなんて、どういう感性の人なんだろうって。
天童荒太さん(以下天童) 僕はまったくファッションに疎いんです。でもそれではいけない、人間にとって重要な衣食住の「衣」、つまりファッションをきっちり見つめることが、今大切なんじゃないかと、勘のようなものが働きまして。この連載は「つなぐ、つながる」をキーワードにしていますが、「ファッション」に対して、「つながる」というイメージはあまり持たれていないように感じます。そんな中、アッシュ・ペー・フランスは服飾だけでなく、インテリアやアートまでを扱って、日本と世界をつなぎ、これから輝くだろうものや今まで埋もれていたよきものと社会とをつないでいる。そんな仕事をされている村松さんとお話することで、地域社会を含めた日本のあり方が見えてくるのではないか。そう思って、今日はうかがいました。