【だから人間は滅びない-天童荒太、つなげる現場へ-】
村松孝尚さん(以下村松) 正直なところ、自信なんてないですよ。でも、人と会ったときに、その人の中に自分が入っていっちゃうっていうか。鼻の穴から、シュッと(笑)。
天童荒太さん(以下天童) わ、怖ッ(笑)。村松さんはいろんなところで新しいものを見つけてくるわけですよね、どういう判断基準があるんでしょう。
村松 社会がどうあるべきか、というのをいつも考えています。社会がどうあるべきかを考えれば、会社のあり方は自然と決まる。社員にも「会社ではなく社会だと思って仕事をしろ」と言っています。ギャグみたいですけど、社会をひっくり返せば会社ですから。
つまり、未来から考えるというか、「こうあったらいいな、こうだったら人が気持ちよくいられるな」と考える。先に未来の絵を描いて、そこから今日何すべきかを考えます。会議をやっても、大体は「昨日までこうだったから明日はこう」って、過去のデータになっちゃう。でも、そうじゃないんだと。
もちろん普遍的なものはあるけれど、何を時代の中で大切にすべきかって変わってくる。今の日本であれば、クリエーション。創造性が必要だと思う。教育も、会社も、創造的であることに、まじめにやるべきだと思います。