骨董通り沿いの男性向けショップ「DECOdeBONAIR」でジャケットを試着する天童荒太(てんどう・あらた)さん。「服は買う気で見ないとわからないことがあるから」。左はバイヤーの上尾智昭さん=東京都渋谷区(宮崎裕士撮影)【拡大】
【だから人間は滅びない-天童荒太、つなげる現場へ-】
≪対談を終えて 天童荒太≫
「衣食住」のなかの「衣」。本来、人間にとって不可欠なものであるはずなのに、ファッションは一般的には「つなぐ、つながる」という文脈では見られてきませんでした。ファッション・アート全般を扱っているHPF(「アッシュ・ペー・フランス」)の村松(孝尚)さんとお会いすることで、今後の社会の広がりを求める道すじのヒントを得られるのではないか。そんな思いから始まった今回の対談でしたが、本当に楽しいものでした。
村松さんは、自分を隠すことがない率直な人。自分の全てを開いてくれる。そうすると、こちらも自分を開いて全力で考えなければならない。自分が考えている以上のところで、全神経を総動員させて向き合う。そういうプレッシャーって、実はすごく大事だったりします。
この人に全力でぶつかれば応えてくれる。村松さんは、相手にそういう信頼を抱かせてくれる人なのだと思います。