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本を読みたくなる宿 幅允孝 (4/5ページ)

2013.11.18 17:00

志賀直哉ら多くの文人、芸術家が愛した宿・三木屋に設置したライブラリー=11月6日(提供写真)

志賀直哉ら多くの文人、芸術家が愛した宿・三木屋に設置したライブラリー=11月6日(提供写真)【拡大】

  • 「城の崎にて」(志賀直哉著/新潮社、546円、提供写真)
  • オリジナル本「註釈・城の崎にて」(提供写真)
  • 創業300年を超える老舗旅館、三木屋がこのたびリニューアル。ライブラリーでは約350冊の本が来訪者を迎える=兵庫県豊岡市(提供写真)
  • 「本の音」(堀江敏幸著/中央公論新社、700円、提供写真)
  • 「ミニコミ手塚治虫漫画全集」(セガトイズ、7万3500円、提供写真)
  • 「Tree_of_Codes」(ジョナサン・サフラン・フォア/Visual_Editions、4148円、提供写真)
  • 「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(ジョナサン・サフラン・フォア著、近藤隆文訳/NHK出版、2415円、提供写真)
  • 【本の話をしよう】ブックディレクター、幅允孝(はば・よしたか)さん(山下亮一さん撮影、提供写真)

 今を生きて想うこと

 極めつきでユニークなのは、アメリカの小説家ジョナサン・サフラン・フォアのつくった『Tree of codes』(6)という本だ。『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(7)(近藤隆文訳)が世界的ベストセラーになった彼だが、実はとてもユニークな本づくりをする者としても知られている。この一冊の場合は、ページをめくると何やらテキスト部分が虫に食われたように穴があいているではないか。

 この穴空き本は、ポーランドの作家ブルーノ・シュルツの『The Street of Crocodiles and Other Stories』という作品の言葉を抜き出して、再構成した切り抜き小説。母方のルーツであるポーランドの書き手に対し尊敬の念を込めたオマージュとして、こんな方法もあるのかと膝を打つ、見事な本歌取りである。

 三木屋に逗留した文豪はたくさんいたが、フォアのように軽やかに先人を超えてゆきたいものだ。ただただ過去の歴史を観光化するのではなく、新しいものを生み出すためのライブラリー。

 ゆったりとソファに腰掛けながら、300年も続く三木屋旅館の庭を眺める。ずっと前にそこに居た人が、何を見て、何を感じたのかに思いを馳せる。志賀は生死の境界と対峙したが、大切なのは今を生きる僕らがその場で何を想うか。本のある空間は、きっとあなたをどこかに誘うはずだ。

幅允孝略歴

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