11月の6日には、いよいよ松葉蟹も解禁され、温泉街の活気も気温と反比例してあがってきた。いつもの日常とは全く別の時間が流れる城崎という温泉街で、あなたも緩やかな思索にふける湯治なんて、いかがですか?(ブックディレクター 幅允孝/SANKEI EXPRESS)
■はば・よしたか BACH(バッハ)代表。ブックディレクター。人と本がもう少しうまく出会えるよう、さまざまな場所で本の提案をしている。
(1)生きることと死ぬこと。その淡い境目が簡潔で無駄のない文章で浮かび上がる。今読み返すと新しい発見があるかも。新潮社、546円。
(2)『注釈・城の崎にて』。NPO法人「本と温泉」が手がける新「城の崎にて」。城崎温泉観光協会などで販売。お土産にも。1000円。
(3)創業300年を超える三木屋がこのたびリニューアル。ライブラリーでは約350冊の本が来訪者を迎えます。
(4)フランス文学者である堀江敏幸が、小説、エッセイなど自身の愛する84冊の本について語った書評集。中央公論新社、700円。
(5)手塚治虫の漫画、200巻を豆本で再現。今では入手困難な作品も入った贅沢な内容となっています。セガトイズ、7万3500円。
(6)切り抜かれた小説は詩のような文章に。物理的な余白が物語の喪失感を薫らせる。Visual Editions、4148円。
(7)検閲の跡を残したり、言葉が黒く塗りつぶされていたり、1行しかないページも。独特の構成が楽しめる一冊です。NHK出版、2415円。