ご関心がおありの方は、鶴岡八幡宮や頼朝の墓に詣でたら、路地めぐりも兼ねてぜひ探索にチャレンジしてほしい。30分もあれば一巡できる。町がコンパクトなところも鎌倉の魅力の一つだろう。
武家の古都といっても、その政権の中枢となる幕府の跡は残っていない。石碑だけだ。これは鎌倉にとって痛いところである。理不尽にも今年、世界遺産登録を果たせなかったのも、その弱点を突かれてしまったからだろう。だいたいの場所は分かっているんですけどねえ…。
いつまで愚痴っていてもしようがないので、世界遺産登録については再チャレンジに向けて戦略を練り直していくとして、たまの休日には散策に繰り出そう。天候不順にもめげず、町にはたくさんの人、人、人。世界遺産などに登録されなくても、鎌倉の良さは皆さん、先刻ご存じです。
大倉幕府はいまの清泉小学校の敷地あたりにあったという。そこから見上げる衣張山は標高が120メートル余り。な~んだ、と言うなかれ。町の三方に低山がひしめく鎌倉の山並みではかなり高い方である。