東電は、燃料を高さ最大17メートルから落下した場合の分析を行い、燃料がクレーンから落ちて燃料を覆う「被覆(ひふく)管」が損傷しても、外部へ出る放射線の影響は約0.78マイクロシーベルトで微量だとする検証結果を報告。更田委員も「被覆管に軽微な損傷を生じた程度では、周辺に与える影響はそれほど大きくない」との見解を示した。
一方、水素爆発で損傷した4号機原子炉建屋は、東京タワーに使用されている鋼材と同じ約4200トンの鉄骨で増強された。東電は「東日本大震災と同規模の揺れに耐えられる」と説明、取り出し作業中に大地震が発生しても安全性は担保されるとしている。耐震設計が施されたクレーンのワイヤは二重化、一本が切れても燃料を取り落とさない仕組みになっている。
トラブルに備えた防災対策も準備された。福島第1原発の周辺は帰還困難区域に指定されており、来年末まで続く取り出し作業中にも一時立ち入りしている住民らがいる。作業期間中は、立ち入る住民らにトランシーバーを貸し出し、トラブル発生時に、現場から福島市にある緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)を通じ、住民らへ避難を指示できるようにしている。
規制委は使用前検査などで安全性を確認してきたが、作業開始に伴い現場に駐在する保安検査官を増員。当面はテレビ会議を開くなどして、東電側と議論しながら監視を強化する。(SANKEI EXPRESS)