東京電力福島第1原発で、4号機使用済み核燃料プールからの燃料取り出しが近く、始まる。爆発した原子炉建屋からの本格的な燃料取り出しは世界初の試みで、来年末まで続く。2011年3月の事故から2年8カ月、政府、東電の廃炉工程は大きな節目を迎える。
がれき落下の影響大きく
「廃炉は原発から燃料を取り出すことから始まる。本当の意味でのスタートになる」。第1原発の小野明所長はこう話す。廃炉工程は新たな段階に入る。
4号機プールには、未使用燃料202体、使用済み燃料1331体の計1533体が保管されている。使用済み燃料に限れば、4号機だけで、1~3号機のプールにある総数(計1393体)とほぼ同じだ。
使用済み燃料は、核分裂反応を終えても熱を出し続けるため、冷却し続けなければならない。東京電力は共用プールと呼ばれる燃料保管専用の施設に移すことで、少しでもリスクを減らしたい考え。
ただ、4号機プールからの燃料取り出し作業は、水素爆発で吹き飛んだ建屋のがれきが落下したため、通常の原発とは事情が大きく異なる。