プールでの作業は、束ねた燃料を入れている箱の上部ハンドルを、燃料取り扱いクレーンのフックで引っかけてつり上げる。東京電力は、試験用の燃料に重さ100キロの鉄の塊を5メートルの高さから落とす実験を行い、つり上げのための機能が損なわれないことを確認した。
燃料取り扱いクレーンは、突然の地震などで停電した場合にフックにロックがかかって燃料を落とさないよう対策が取られた。取り出し中に設定以上の荷重がかかった場合にも停止し、強引につり上げて燃料が破損するのを防ぐ。
燃料移送で最も懸念されるのは、天井クレーンでつり上げた輸送容器を落下させてしまうケースだ。5階からトレーラーを待機させる1階までは約32メートル。この高さで落下すると輸送容器は破損する可能性があるが、東電は中の放射性物質が全て放出されたとしても、周辺への影響は小さいと評価している。
輸送容器はトレーラーで約100メートル離れた共用プール建屋に運ぶ。わずかな距離とはいえ、いったん屋外に燃料を搬出するためテロへの警戒も強化しているが、詳しい態勢は明らかにしていない。