英国側は結局、ピノチェト氏の病状が悪化しているとしてスペイン当局への身柄引き渡しを見送り、2000年にチリへの帰国を認めたが、英国とチリの外交関係の悪化や、主権国家の枠組みを超えて他国の元国家元首を裁くことの是非などをめぐり、国際的な論議が巻き起こった。
江氏ら5人への逮捕状発行について、刑事告発を行ったスペインの非政府組織「チベットを支援する委員会」のアラン・カントス会長はAP通信などに「(実際の逮捕は)難しいかもしれないが、大きな一歩だ」と喜び、「彼らは中国国内に居座っているが、スペインの裁判所が出した結論を安易に考えてはいけない。中国から出国すれば、いつ逮捕されるかわからないのだ」と訴えた。
「強烈な不満と反対」
今回の逮捕状発行について、中国政府は激しく反発している。中国外務省の洪磊(こう・らい)報道官は20日の定例記者会見で、「強烈な不満と断固とした反対」を表明し、国外のチベット独立勢力を激しく非難。スペイン側には「誤った決定」を変え、影響回避に努めるよう要求した。
国際社会の中で中国が抱えるアキレス腱(けん)とも言えるチベット問題。それが欧州の一角とはいえ、国際的な司法問題に発展した意味は決して小さくない。(SANKEI EXPRESS)