猪瀬氏が借用証の公表に踏み切ったのは、5000万円はあくまで個人での借り入れで選挙資金ではないこと、つまり公職選挙法違反(選挙運動費用収支報告書への不記載)ではないことを強調する目的があったとみられる。この日の会見でも、しきりに「個人」という言葉を連発した。
選挙目的払拭できず
ただ、個人の借金を強調しても、借り入れ時期が立候補直前のため、選挙目的という疑念はぬぐえない。
この日の会見で、資金提供のきっかけとなった毅氏との会食では「選挙にお金が掛かるのは常識との話があった」など、微妙な表現ながら“選挙とカネ”の話があったことは認めた。
自身も一度は「資金提供という形で応援してもらうことになった」(22日午後1時すぎの囲み取材)と釈明している。