要するに、「ゆとり教育」のもとで育ち、中学校と高校では全く数学を学ばないで私立大学に入学し、そこで小学校の教員免許状取得に必要な「初等算数科教育法(2単位)」の単位をお情けでもらって、採用試験を堂々と受けに行く者が多くいるというわけだ>(144ページ)
筆者が外務省で研修指導官を務めた経験でも、難しい試験に合格して入省したロシア語研修生が、研修先のロシア高等経済大学やモスクワ国立大学地理学部から、数学の知識が不十分なために退学を余儀なくされたことがある。
日本国家を強化するためには、日本人を強くしなくてはならない。特にグローバリゼーションが進む中で、国際社会でわれわれと異なる文化、伝統を背景とした人々に日本の立場、主張を理解させるためには、論理の力が重要になる。そのための基礎になるのが算数・数学だ。