日本の順位はこれまで、2000年調査ではトップクラスだったが、03年調査と06年調査で連続して急落した。このため文部科学省は2007年から全国学力テストを実施するなど学力向上策に取り組み、2009年調査で読解力が15位から8位に回復、一定の成果を見せていた。
今回のPISAは、脱ゆとり路線を掲げて08年に改訂された新学習指導要領で学んだ生徒が初めて受けるテストで、文科省では「一連の学力向上策の成果が着実に表れている」と分析する。下村博文文科相は「少人数教育の推進や教職員の資質向上によるきめ細やかな指導体制をさらに整備し、学力と規範意識を兼ね備えた世界トップの人材育成を進めていきたい」と述べた。
≪9年前のPISAショックで目覚める≫
2012年実施の経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(PISA)では、日本の15歳の学力回復傾向が明確になった。09年の前回調査より順位も得点も大幅にアップした最大の要因は、ゆとり教育からの脱却であるといえる。教育関係者からは「このレベルを維持し、向上させるためにも、教育再生の施策を着実に進めるべきだ」との声が上がる。