だが、PISAショックを受けて政策を変更し、05年に中山成彬(なりあき)文科相(当時)がゆとり路線の学習指導要領見直しを中央教育審議会に要請。この間にも学力は低下し続け、PISA06年調査で日本の順位は数学10位、科学6位、読解15位まで落ち込んだ。
学力低下に歯止めをかけたのは、07年から実施された全国学力テストだった。民間教育臨調の村主真人(むらぬし・まさと)事務局長は「生徒の学力状況が明らかになり、学校現場に教育改善の機運が高まった」と分析する。PISAの09年調査で日本の順位は数学9位、科学5位、読解8位に回復した。
09年からはゆとり脱却を掲げた新学習指導要領が一部実施され、学習内容が大幅に拡充した。そして迎えた今回のPISA-。ベネッセ教育総合研究所の新井健一理事長は「PISAショック以降、ゆとりか詰め込みかの二者択一ではなく、学力向上に向けたバランスのいい施策が行われてきた成果が出たのではないか」と話している。(SANKEI EXPRESS)