【アメリカを読む】
米上院(定数100)で11月、議会審議のルールをめぐる歴史的な変更があった。大統領が指名する人事の承認に事実上必要な賛成票の数を60以上から51以上に引き下げる内容で、野党共和党が人事承認の妨害を繰り返していることに業を煮やした民主党による変更劇だった。民主党は今回、3分の2以上の賛成が必要なルール自体の変更ではなく、過半数の賛成で可能な慣例の上書きという奇策を使って実質的なルールを変更。こうした手法は多数派の横暴につながりかねず、「核オプション」とも呼ばれてきた。共和党は民主党への反発を強めており、今後の議会運営にさらなる禍根を残すことになりそうだ。
フィリバスターを阻止
変更の対象になったのは議事進行妨害(フィリバスター)の扱いだ。上院のルールでは議員の発言時間に制限が設けられておらず、与野党が納得いくまで審議を続けることが前提。採決に進むためには60以上の賛成票で審議の打ち切り動議を可決する必要がある。しかし上院では多数党であっても60議席以上を確保することはまれ。少数党がフィリバスターを宣言して審議の継続を求めれば、採決を行うことは不可能となる。