≪地域住民とスクラム 防止策探る≫
いじめ認知件数が過去最多となる中、地域の力を活用していじめの未然防止に取り組む自治体も出てきた。千葉県市川市では研修を受けた地域住民が小中学校で子供たちといじめについて議論する事業をスタート。専門家は「学校と地域の交流は、子供たちにとって相談できる大人を増やすことにつながる」と話している。
市川市立大洲中学校の道徳の授業。生徒が3、4人ずつ、7つの班に分かれて座る傍らに、地域の大人たちが寄り添う。市民による学校支援事業の一環だ。この日の授業で扱われたのは、1986年に東京都中野区で中2男子が「葬式ごっこ」などのいじめを苦に自殺し、大きな社会問題となった事件。生徒たちは担任の教師から事件の概要を聞いた後、「なぜ自殺を防げなかったのか」をテーマに議論した。
「もしみんなが同じ立場だったら、先生にちゃんと話せる?」
口の重い生徒たちの思考を促すように、参加者の市沢由江さん(64)が優しく話しかけていた。