その上で、作戦要求性能を修正し、ステルス性能や電子戦能力に関する入札条件の敷居を高くした。韓国国防省は入札期間を1年と見積もったが11月、このテコ入れでユーロファイターも脱落、F-35Aだけが契約対象として残った。競争契約が一転、随意契約に化けたのだった。背景には既に2011年、航空自衛隊が次期戦闘機として選定を決めていた事情がある。
国会内の一室に話を戻す。議員たちの発言を聴くと、日本に対する哀(かな)しいまでの過剰意識を感じる。朝鮮日報など、韓国系メディアを基に再現する。
当選6回の李仁済(イ・インジェ)議員はまず「ステルス性能は必要で(その意味でF-35Aの事実上の導入は)正しい決定だとは思うが…」と前置きした後、まくし立てた。
「日本に比べると導入条件が非常に不利だ。この問題は絶対に見過ごせない」
李議員は理由について「韓国は40機全てを完成状態で導入するが、日本は4機が完成品、残り38機はライセンス生産され、技術移転されるそうだ。事実なら、追加の話し合いを行ってでも、日本と同じく(より高額になるが)技術移転を推進していかねばならない」と説明した。