やや違う。日本の「外交力」は経済力や国際的地位を考えると、まるで物足りない。同盟国・米国の日韓それぞれへの信頼度の差は「外交力」だけではない。背伸びをせず、着々と技術力を築いてきた「民族性」の差である。他国の部品で兵器や工業製品を「完成」させ、見て呉れを繕ってきた韓国。日本と自国を常に対比させる情念と、その結果としての焦りが、物理的にも、歴史の粉飾といった精神構造上も、国家ぐるみで見て呉れを繕う社会的常態を生み落としたともいえる。全体、日本という隣国が地球上に存在しなかったら、韓国は国家目標・戦略をどう位置付けただろう。
韓国軍関係者は2月、朝鮮日報に対し「日本も偵察衛星4基を保有しており、今後は10基に増やす。われわれは1基も持っていない」と述べ、保有に向け予算・技術の確保に乗り出す姿勢をにじませた。
また、フィリピンの台風被害で、韓国外務省は14年から3年間で2000万ドル(約20億6000万円)の無償援助を実施すると発表した。最初の発表額が「日本の1000万ドルに比べ少額」との批判的世論にも配慮した結果だった。
浪費せず、「日本離れ」できる成熟した韓国を見たい。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)