ブラックボックス破り
気持ちは分かる。でも「日本と同じく技術移転を推進して」も、自前の部品などを使い組み立てられるのかどうか。“実績”には事欠かない。
例えばF-15SEの旧型F-15K。2011年に、夜間の偵察・精密爆撃照準を可能にする装置を、米国防総省からのブラックボックス指定にもかかわらず開け、解体してしまったのだ。国防総省では国産兵器不拡散担当副次官補を急派し、怒鳴り込んだ。以後、米国部品を伴う装備の輸出は大きく制限された。韓国に対する供与兵器が内蔵するブラックボックスは、一層巧に偽装されてもいる。
F-15Kは06年、操縦士が対重力訓練の不足で失神し墜落。07年には地上移動中、マンホールに右主脚を落とし、大破した右主翼の修理を米ボーイング社に頼んだ。10年には、米韓合同訓練に参加する操縦士の“教育”のため、後部座席に座乗した空軍大学総長(少将)が誤って非常脱出用のレバーを引き、座席ごと大空に舞った。落下傘が開き閣下は無傷だったが、イザとなれば、韓国軍とともに戦う運命にある米軍は、韓国軍の技術力や錬度(れんど)に不信感をもっていることは間違いない。
「ブラックボックス破り」は、バレずに元に戻せることが大前提だ。元に戻せないからバレる。