カンボジア・メコン川=2013年12月15日現在【拡大】
迫られる立ち退き
そして今、スレコールなどの住民の暮らしに計り知れない影響を与える新たなダムの建設計画がカンボジア国内で持ち上がった。「セサン下流第2ダム」だ。セサン川、スレポック川の2本の大きな支流の合流点の直下に、高さ75メートルの水力発電用ダムを建設する計画で、ダム湖の長さは全長6キロ、面積は3万3360ヘクタールに達する。
完成するとスレコールを含めた七つの村が水没し、5000人近くの住民が立ち退きと移転を迫られることになる。水没地域の上流でも、ダムの下流でも漁業に大きな支障が出るのは確実で、影響を受ける人は数知れない。
もうすぐ50歳になるというヨーン・バンニはスレポック川のほとりに居を構える魚の仲買人だ。
店先にはかりを置き、川漁師が取った魚を売りに来るのを待つ彼女のもとに、魚の入った籠を持ってトウン・フェト(43)が現れた。籠の中にはヌメヌメとした体をくねらせる生きたナマズもいる。