シャネルの創始者、ガブリエル シャネルは無名時代のピカソやストラビンスキー、コクトーらに手をさしのべ、新しい芸術の創生をもたらした。12月4日に行われた「グランドフィナーレ2013」は、その精神にのっとって1年の歩みを進めた5人の俊英による総仕上げのステージだ。成長を果たした喜びと感謝の思いが舞台からあふれ、壮麗な響きが感動を深いものにしていく。
「レパートリーを広げたいと取り組み、常に自分の限界を超え続けなければならないという父の教えを実践しました」とバイオリンの千葉清加(さやか)は、りんとした音色に、やわらかな表情を含ませて印象的だ。しなやかでぬくもりのあるピアノの響きに豊かな詩情をたたえる小林侑奈は「幅広い時代の作品に挑戦し、さまざまな課題を見つけ、音楽を奏でることの喜びが深まった」と感謝を口にする。
バッハの無伴奏と弦楽器による室内楽作品を並べ、全6回の演奏会を構成したバイオリンの長尾春花は「孤独と向き合い、音楽を分かち合うという両極端に同時に挑戦しながら、作品に最もふさわしい響きをいつも追い求めていました」と手応えを口にする。ドイツ留学を予定している福田悠一郎は「苦手としていること、乗り越えなければいけない課題に挑戦した1年でした。ここで得たものを生かして新たな挑戦をしたい」とバイオリンの手にさらなる飛躍を誓う。