中長期的改革は棚上げ
「壮大な取引は虫が良い」(ライアン氏)ということで、中長期的な財政改革は棚上げし、当面の危機回避を優先することで、なんとか合意にこぎつけた。超党派委の共同委員長を務めたマリー氏とライアン氏は記者会見で、「正しい方向への一歩だ」と成果を強調した。英紙フィナンシャル・タイムズも「ワシントン(米政界)は妥協し、決断する能力を失っていなかった」と評価する。
ただ、社会保障などの大幅な歳出カットを求めた共和党は歳出増を容認する一方、民主党は富裕層増税を取り下げ、与野党ともに不満を残す結果となった。来秋に中間選挙を控え、党内の強硬派が執行部を突き上げる動きも予想される。
特に共和党は反発が党内に広がっている。16年大統領選の有力候補であるマルコ・ルビオ上院議員(42)は財政再建と雇用改善の重要性を指摘し、「今回の合意ではどちらも達成できない」とばっさり。保守派の後ろ盾となっている草の根保守運動「ティー・パーティー(茶会)」の全国組織「フリーダム・ワークス」の幹部も「合意は不誠実」として執行部を批判するが、ジョン・ベイナー下院議長(64)は「議員を誤った方向に導こうとしている」と苦り切っている。