【Room’s】
透き通った小さな球体の中は、ミニチュアの街並み。そっと持ち上げ、上下に振れば、小さな街並みに、ちらちらと雪が舞う。ローマ、バルセロナ…ひと球ごとに、異世界が詰まった「スノードーム」は、ぼんやり眺めて楽しむインテリア雑貨だ。12月に入り、雑貨屋には、もみの木や雪だるま、サンタクロースなどのミニチュア人形が入ったスノードームが並ぶ。もうすぐクリスマス。東京・世田谷にある「スノードーム美術館」で、ひととき小宇宙を旅してみた。
スノードーム美術館は、廃校となった中学校舎を活用した「IID 世田谷ものづくり学校」の一室にある。美術館の扉を開けると、ミュージアムショップの棚という棚いっぱいに、何百というスノードームが並んでいた。ニコリと笑顔の雪だるま、トナカイが引くソリに乗ったサンタクロース、もみの木、天使…メーンの陳列台には、クリスマスをイメージした、大小さまざまなスノードームの数々。「スノードームは普通の置き物と違います。見る人や持ち主が、さわって動かしたとたん“時間”を生み出す、そこが魅力の一つなんです」。