この美術館やショップを運営するNPO法人「日本スノードーム協会」の中村賢英(まさひで)さん(56)はそう言って、オーストリアの老舗、ペルツィ社のスノードームを両手で揺らした。すると、球の中で粉雪がゆったりと舞いはじめた。1秒、1秒…ドームの中ではゆっくりと時が流れるかに見えて、眺めるうちに穏やかな心持ちになっていった。
1900年創業のペルツィ社は今もウィーンの工房で手作業による色付けを続け、ドームの中の人形には素朴な味わいがある。手作業ゆえか、同じモチーフでも、顔の造形や色合いが一つ一つ異なる。球を満たすのがアルプス山脈の雪解け水というのも、ロマンチックだ。
各国へ広がり独自に変化
そもそもスノードームは、1800年代初頭のフランスで、ペーパーウエートの一種として誕生。上流階級が愛用し、1878年のパリ万博にも出品された。19世紀後半以降、欧州各地でスノードームの家内工業生産が広がると、20世紀初頭には北米に輸出され、米、カナダでも人気メーカーが育った。