背中押した指標改善
「米経済の進展が本日の決定に反映された。数四半期にわたり成長もいくぶん加速するだろう」。バーナンキ議長は記者会見の席上、景気回復への手応えを強調した。
金融危機で10%に跳ね上がった失業率は7%に下がり、雇用とともに米経済の体温計とされる住宅市場も底を打った。消費や企業業績も底堅い。FRBが景気を支えるため続けてきた量的緩和の手綱を緩めたのは、自律的回復が軌道に乗ってきた裏返しでもある。
議会与野党の財政協議が今月(12月)決着し、年明けの政府機関閉鎖が回避されたことも大きい。米JPモルガン・チェースのエコノミスト、ジョセフ・ラプトン氏は「指標の改善と財政協議の進展がFRBの背中を押した」と指摘する。
資産を買い入れ市場にドルを流し込む量的緩和はインフレ懸念など副作用もある。中央銀行本来の政策は金利の上げ下げで景気を刺激したり冷ますもの。量的緩和は「非常手段」で、縮小はFRBと来年1月に退任が迫るバーナンキ議長の双方にとって悲願だった。