規模小幅、ゼロ金利は継続
一方で、“緩和慣れ”した市場にショックを与えぬよう、縮小規模は小幅で滑り出し、事実上のゼロ金利も「相当長く」続けることを約束させられた。失業率改善は求職断念者の増加が影響しているとも指摘されており、雇用の足取りは重い。米経済は金融危機を脱却し改善を続けているとはいえ、力強さまでは取り戻せていない状態だ。
「経済が正常になったと判断できるまで、道のりはまだ長い」。量的緩和策に「出口」を見いだすという大仕事を終えた議長の嘆息が、米経済とFRBになお楽観が許されないことを示している。(ワシントン 柿内公輔/SANKEI EXPRESS)
≪日本にもプラス≫
■農林中金総合研究所の南武志・主席研究員の話 「最近の米国経済は、雇用統計が市場予想を上回り、連邦債務上限問題で暫定予算が成立するなど不透明感の払拭につながる動きが目立った。金融市場も近いうちの縮小決定を織り込んで落ち着いている。こうした背景から米連邦公開市場委員会(FOMC)は量的緩和の縮小に動いても問題ないと判断したのだろう。