首相が基地負担軽減策をめぐり最初に提示したのは日米地位協定を補足する新たな政府間協定だった。交渉開始で米側と合意していることも伝えた。仲井真氏が環境条項新設による地位協定の改定を要請したことを受けたものだ。
沖縄では返還が予定される基地での環境立ち入り調査を求める要望が強い。辺野古での埋め立てや代替施設の建設でも環境に与える負荷への懸念があり、首相は避けては通れない課題だと見定めた。
政府は11月上旬、極秘に地位協定の改定について米側との調整に着手した。ただ、米側は日本と改定に踏み切れば韓国などと結ぶ協定も不利な条件を課されかねないと抵抗し、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)のような特別協定を締結することで折り合った。
首相は、沖縄の要請と米側という「相手のある」交渉との間で難しい舵(かじ)とりを迫られる中、両者の妥協点を新協定に見いだした。首相周辺は「安倍政権は約束できないことは言わない」とし、空手形は切らず実効性を担保できる回答だけを示す方針を貫いたという。