しかし、料理を作る仕事がしたいと厨房に。約2年、腕を磨き、京都・嵐山のホテルの洋食レストランや滋賀県のフレンチレストラン、大阪市内のレストランなどで働いた後、日本人のパスタ好きに着目。「将来性のあるイタリア料理を一から勉強したい」と30歳でトスカーナ州に約1年半滞在し、現地の味を学んだ。
帰国後、滋賀県のイタリア料理店で約2年間働くが「イタリア料理人として、自分の引き出しがまだまだ少ない」と実感し、34歳の時、再びトスカーナ州に出向き、約2年間、再修業。帰国後、数件のイタリア料理店で働き、現在のお店に。オーナーと相談した結果、この場所で開業することになった。
シンプルさが魅力
京都市中心部の御所南や烏丸御池はここ数年、イタリア料理店の開業が相次ぐ“激戦区”だが、このお店のウリは「現地でしか味わえないトスカーナ州の伝統料理を味わえるところ」(加藤シェフ)に尽きるという。
そんなトスカーナ州の伝統料理について加藤シェフは「イタリアでは他の地方にも行きましたが、トスカーナ州を代表する街のひとつ、ピサは肉料理も山海の幸もバランス良く味わえるところが素晴らしいですね」と説明する。さらに「例えばビステッカ(ビーフステーキ)もオリーブオイルとこしょうだけで食べたりと、食材本来の味を生かすシンプルさに大きな魅力を感じます」とも。