現地の味 忠実に再現
そんな料理の数々を早速作っていただいた。まずは前菜の「イワシとポレンタのサラダ」。トウモロコシの粉を練って焼いたポレンタの甘みとイワシのあっさり感がうまく融合しており、彩りも鮮やかだ。魚介類とポレンタの組み合わせはトスカーナ州ではポピュラーなメニューのひとつという。
続いて「イカと赤インゲン豆のスープ」。「トスカーナ人の豆喰い」とよく言われるように、トスカーナ州で豆類はスープやサラダ、煮込み料理と、あらゆるメニューに登場するとあって、現地の人々に最も親しまれている食材。その現地の味を忠実に再現した看板メニューのひとつだが、温かいスープで味わうイカの濃厚さと豆の甘さの渾然一体ぶりは冬にぴったり。
「トリッパ(牛の2番目の胃)と白インゲン豆の煮込みフィレンツェ風」も豆好きの現地人の趣向を反映した逸品だ。
ダイナミックかつ繊細
そして、日本のきしめんより幅が広いトスカーナ州の伝統的なパスタ、パッパルデッレと仏シャラン産の鴨肉を煮込んだラグーソースと絡めたパスタ料理や、脂身の少ない岩手産の短角牛イチボのビステッカといった肉料理では、ダイナミックかつ繊細な味わいが楽しめる。