荒井 ページ数は多いけれど、文章をいただいたときにすごく面白くて、「なんなく乗り切れるな」という確信がありました。絵としては、とにかくスピード感を意識しました。
天童 僕なりに、絵本の基本は「リズム感」と「サプライズ感」だと思っています。なので、文章は意識的に繰り返しを多用しました。それに、荒井さんの絵は「次にどんな絵が来るんだろう?」というワクワク感がすごくあって、こちらの想像をはるかに超えた絵で、まず僕がサプライズ(笑)。ゼンの世界に豊かなカタチを与えてくださって本当に助けていただきました。
荒井 僕も「絵本界のゼンくん」みたいな感じで周りにちょっと引かれている(笑)。そんな中で、自分の思っていることだとか、やりたいことだとか、すごく丁寧に受け取ってくれた。「荒井良二」という存在を天童さんに救っていただきました。
天童 絵本は面白い、が基本だけど、あえて今回のような作品が絵本として来る、ということに社会としてサプライズしてほしい思いもある。絵本はこういうこともできるんだ、と提示したかった。絵本だからこその武器ってあると思うんです。絵本だったら、どこにでも存在できる。それこそ、歯医者さんの待合室にでも。そういった場所にある一冊が、この本だったら…。