【青信号で今週も】
明けましておめでとうございます。みなさまの前には色とりどりのおせち料理が並んだことでしょう。おせち料理の「おせち」は「御節」と書き、いろいろな節句のときにお供えする料理を意味しています。江戸時代になり、お正月の節句の時に出すお供えの料理を特に「おせち」と呼ぶようになったとのことです。
おせち料理は美しいものです。エビやタイ、チョロギの赤色、栗きんとんやだて巻き卵の黄色、黒豆のつややかな黒、野菜の緑、イクラ、にんじんなどなどのだいだい色。本当に色彩豊かです。さらに、それぞれの食材は、数多くの食材がそれぞれおいしくなるように和食の粋を集めて調理されます。小エビのつくだ煮や小魚や田作りのように、日持ちがするように念入りに調理されているものもあります。こげないように何時間も手間をかけた末の結晶です。
これらの食材は地方によってバリエーションがあり、人々は郷土のおいしいものを使ってお正月を祝ってきました。しかもそれが、美しい漆塗りの重箱などにきれいに整頓されて清楚(せいそ)に収められます。和の美の一端です。一朝一夕ではなし得ない、すばらしい日本の文化の継承。2013年末に、和食が世界無形文化遺産に登録されたというニュースが報道されました。おせち料理を見ると、和食文化の奥深さに「なるほど」とうならされます。