井手さんによると、都内には富士山が見える坂は多いが、「富士見坂」という名前のついた「富士山がまだ見える坂」は最近まで4カ所だったという。ところが、もっともきれいに富士山が見えるとされた荒川区西日暮里の「富士見坂」は、昨年(2013年)夏にマンションが立ってしまったために眺望が変わってしまったのだとか。「富士山の稜線も見えたので、富士に日が沈む『ダイヤモンド富士』が見える時期は、シャッターチャンスを狙ったカメラマンが坂沿いにずらりと並んでいたものです」
そのほかの富士山が見られる可能性のある「富士見坂」は、文京区大塚の護国寺近くにある「富士見坂」、世田谷区岡本3丁目付近にある「岡本三丁目の坂」(別名・富士見坂)、そして2005年に新興住宅地の完成とともに新たに加わった足立区新田の「ふじみ坂」の3カ所。中でも井手さんのお薦めは、田園都市線「二子玉川駅」と小田急線「成城学園前」の中間に位置する「岡本三丁目の坂」だという。「世田谷の西の方は、都内でも富士山にかなり近い地域です。富士山を見るなら冬の朝。早起きをして出かければ、真っ白な富士山が見える確率もぐっと上がりますよ」