彼のスタイルは、サウンドの方向性やアレンジとの組み合わせで見事に現代の音楽にアップデートされているが、本質的には1970年代ソウルを下敷きにした本格派志向だ。また、ヒップホップやロックといったワイルドな音楽にシフトする際も、決して流行に左右されることなく、彼の洗練された歌唱法を貫いている。アイデンティティーを維持しながら違和感なく自らを溶け込ませているあたりも尋常ではないのだ。
業界の噂では、ファレルは天才少年を集めた学校の出身だとか。在学中に音楽に目覚め、同級生とバンドを組んでこの道に進んだといわれている。彼の成功を天才の芸当としてただ感心するのか、それとも天才と同じ時代に生きる感動を実感するのかは、受け取る人の自由だろう。それでも、僕は彼の全方位的な説得力に進んで共鳴したいし、その一貫性を一音楽人として見習いたいと思う。
ただでさえ不振な音楽業界で、彼の八面六臂な活躍に触発されることで損はない。願わくば、共演。あの歌声、ジャズにもきっとハマるはず。共通の友人もいるし、資金は音楽の投資サイトで募ってみるのも面白いかもしれない。曲のクオリティーが高く、音楽に個性があればスターであっても気軽にOKしてくれるかも…と思わせる親近感もまた、彼の魅力なのかもしれない。