時代によって変わる
テレビや新聞で見かけたり、暮らしの中で出会ったり。気になる言葉に出会うたび、メモをする。先ほどあげた「爆睡」のように、“イマドキのコトバ”にも鋭く反応。「言葉は生き物。『間違った使い方をすべきでない』とは、私個人は思っていません。本当に必要な言葉であれば、暮らしの中に定着し、それがやがて『正しい日本語』になっていくのですから」。時代によって言葉の意味も変わる。例えば『情けは人のためならず』。本来は『人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分にもどってくる』という意味だが、今は『親切はその人のためにならない』と使われることが多い。「昔は貧しかったので、相互扶助しなければ生きていけなかった。でも今は豊かになって、特別な事情がない限り、働こうと思えば働くことはできる。人を甘やかしてはいけない、という意味に変わってきたのでしょう」