先陣を切ったのは、林景一駐英大使(62)だ。1月5日付の英紙、デーリー・テレグラフ(電子版)への寄稿で、人気小説「ハリー・ポッター」の闇の帝王、「ヴォルデモート卿」を引き合いに、軍拡を進める中国に警告した。1月1日付のデーリー・テレグラフ(電子版)への寄稿で、ヴォルデモート卿に例えて安倍氏の靖国神社参拝を批判した中国の劉暁明(りゅう・ぎょうめい)駐英大使への意趣返しだった。
しかし、英メディアを舞台にした日中外交官の応酬には、冷ややかな見方も出た。インド紙、インディアン・エクスプレス(電子版)の1月10日付社説は、「5歳の子供がけんかのときに、『そっちこそばかだ!』と言うのと同じようなもの。外交官が互いの国を、作者が荒れ狂う精神病質者だと評した闇の帝王に例え合うのは普通でなく、ハリー・ポッターも困惑するだろう」と論評したのだった。
相手の土俵に乗らず、品格を保った上で、いかに中国の不当な主張を突き崩して、逆に国際世論の支持を広げるか。容易ではないが、日本側も反転攻勢の対外発信力を磨かなければならない。(国際アナリスト EX/SANKEI EXPRESS)