日米と新興国の株価指数の推移=※2013年1月末のMSCI株価指数=100、2014年1月は15日時点【拡大】
日銀の異次元緩和はそんな不安を吹き飛ばしてくれるのか。日銀は昨年(2013年)1年間で61.4兆円もカネを追加発行して、金融機関から主に国債を買い上げてきた。日銀マネーが直接、金融機関経由で株の購入に充当されるわけではないが、量的緩和はドルなど他通貨に対する円安を招き寄せる。米欧の投資ファンドを中心にした外国投資家は「円安=日本株買い」という自動売買プログラムを稼働させるので、株高が導き出される。日経平均株価は年間で7割以上上昇し、東京証券取引所の株式時価総額は180兆円余り膨らんだ。
では実体経済にどれだけカネが回ったのか。まず銀行の資産は42兆円増えた。日銀が銀行から国債などを買い上げた分、銀行は資金を受けとるが、その97%の63兆円はそのまま民間銀行が持つ日銀の当座預金にとどめ置かれている。なにしろ日銀はこの銀行の余剰資金に0.1%の金利を払ってくれるので、銀行は積極的に貸し出しに回さなくてもよい。従って、貸し出し増加額は日銀資金供給増加額の23%弱の14兆円にとどまる。