日米と新興国の株価指数の推移=※2013年1月末のMSCI株価指数=100、2014年1月は15日時点【拡大】
日銀マネーがわれわれの消費や生産活動に回れば、銀行預金や現金流通量が増える。これらに預金に準じる大口の譲渡性預金証書(CD)を加えたものが、実体経済に流れるお金であり、金融用語では「マネーストックM2」と呼ばれる。通常、景気がよくなれば、おのずとM2は増えるのだが、日銀マネーが61兆円余り追加されたのに、M2はその57%、35兆円しか増えていない。
株高依存は危険
多くの金融機関は国内よりも海外向けに融資するのは熱心である。企業の対外投資を含め、日本の対外金融資産は9月末で総額130兆円、海外の対日金融資産増加分を差し引いたネットで24兆円増えた。
株高のおかげで年金の運用益は大幅に増えた。名目国内総生産(GDP)は約10兆円、税収も固く見積もっても1.4兆円増えているのも好材料だが、4月からの消費増税と財政緊縮による家計への圧迫は10兆円以上で、アベノミクスの実体景気拡大分を吹き飛ばしかねない。日銀の追加緩和は欠かせないのだが、それでも増税によるデフレ圧力を解消するのは困難かもしれない。株高に依存して財政緊縮路線をとるのは、危ういのだ。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)