重要なコンパルソリー
佐藤コーチのもとで練習を始めた当初は、リンクを滑って「8の字」を繰り返す課題に対し、「ひどい」と言われていました。エッジで氷を削った跡が少なく、かつ自分の滑った線がずれていない方が良いのですが、私の場合は「8」が全然同じところに描けていませんでした。肩や背中に無駄な力が入ったりして、翌朝は筋肉痛にもなりました。
しかし、時間がたつにつれて徐々に感覚をつかめるようになりました。そして、あることに気付いたのです。それは、刃の先端部分への体重のかけ方によって、スピードが全く違うということです。先端の使い方によって、スピンも速く回れたり、ジャンプの跳び方もよくなったりするのだから驚きでした。
コンパルソリーをうまくできるようになる一番のメリットは、ルール変更に伴って多くの要素をこなさなければならないようになったステップがうまくなることです。真央ちゃんや高橋大輔選手(関大大学院)のように、リンクを目いっぱい使うステップには魅了されますが、ステップに必要な動きはほとんどといっていいほど、円を描くときに使うエッジワークの応用なのです。