【国際情勢分析】
オーストラリアのメルボルンで行われたテニスの全豪オープン女子シングルスで、中国の李娜(り・な、31)がドミニカ・チブルコバ(24)=スロバキア=を7-6、6-0で下し、初優勝した。4大大会では2011年の全仏オープン以来、通算2勝目。国家の強化システムから飛び出した“反逆者”の国際舞台での活躍は、当局に不満を持つ国民から喝采を浴びるのが常だが、今回は、李娜の人気に便乗しようとした地方政府の失策が、思わぬ騒動を引き起こしている。
全豪優勝、故郷に凱旋
決勝戦の2日後の1月27日、李娜は前コーチの夫、姜山氏(33)とともに、ふるさとの湖北省武漢市の空港に到着した。空港には湖北省共産党委員会や湖北省政府の幹部らがずらりと並んで、「地元の英雄」を出迎えた。さらに、省政府が、報奨金として80万元(約1360万円)を李娜に贈ったことが、インターネット上で集中砲火を浴びているのだ。