国際社会では、国家エゴが強まり、帝国主義的傾向が強化されている。その中で、プロパガンダ(宣伝)戦も熾烈(しれつ)になっている。各国が行う国際放送(特にラジオ)は、インテリジェンス(情報)戦、プロパガンダ戦の重要な道具になっている。かつて国際放送のニュースを知るには、実際にラジオを聞くか、もしくは録音しなければならなかった。各国のインテリジェンス機関や外交当局は、利害が対立する国家の国際放送を聴き、文字にした。日本では「外務省ラヂオ室」を起源とする一般財団法人「ラヂオプレス」がこの業務を担当している。1984年の金日成死去を世界で最も早く報道するなど北朝鮮情報に関するラヂオプレスの能力の高さには、国際的に定評がある。また東西冷戦時代には旧ソ連のモスクワ放送(現「「ロシアの声」」)を傍受し、ソ連国家機構や要人に関する資料集を作成し、内外で高い評価を得ていた。