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汚い人なんかいないと伝えたい 「舞台」作家 西加奈子さん (3/4ページ)

2014.2.2 15:40

作家の西加奈子さん。自分を見つめるもう1人の自分。本作の執筆を通じ、「見られているではなく、見守ってくれているのかも」と意識が変わったという=2014年1月20日、東京都文京区(伴龍二撮影)

作家の西加奈子さん。自分を見つめるもう1人の自分。本作の執筆を通じ、「見られているではなく、見守ってくれているのかも」と意識が変わったという=2014年1月20日、東京都文京区(伴龍二撮影)【拡大】

  • 「舞台」(西加奈子著/講談社、1475円、提供写真)

 存在自体が恥ずかしい

 「自分の存在自体が恥ずかしい」という意識の原体験は、幼少時の海外生活にある。「エジプトに住んでいたのですが、日本人は現地では『お金持ち』だけれど、エジプト人の友達は貧しくて靴も履いていない。自分の手柄でもないのにこんなにっぜいたくをして恥ずかしい、という意識がずっとあった」

 葉太が抱える苦しみも、同じ。著名な作家を父に持つ葉太は、イケメンでお金持ち。でも、それゆえに恥ずかしい。「『金持ちだから苦しいねん』なんて、周りに言えませんよね。でも、苦しいのは真実。『人の苦しみに比べたら私のなんて甘い』と軽んじることなく、自分の苦しみを苦しんであげてほしい」

 自分自身を見つめる目

 葉太は亡霊が見えるという特殊な能力を持つ。「常にこの世ならざる者から見られている、という感覚ですね。日本人は『バチが当たる』という感覚があるけれど、それは常に誰かから見られている、ということ。その誰かは世間や亡霊かもしれないし、究極的にはもう一人の自分なんだと思う」

一人でいても本当の意味では孤独になれない。もう一人の自分が見ているから

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