鉄道の旅はここまで。ナルビクからはバスと沿岸急行船「フッティルーテン」を乗り継ぎ、さらに北を目指した。ナルビクからバスを走らせること約2時間。イブンスクジャーの町に差し掛かったあたりで、突然、車窓が淡く輝いた。「こんな早い時間に大きなオーロラが出るのは珍しいよ」。バスの運転手、アトレ・ステンセンさん(52)は、そう話すと、道路脇にバスを止めた。オーロラは午後9時過ぎから見られることが多いという。時刻は6時半だった。
夜空を覆うオーロラは、ゆらゆらとカーテンのように揺れながら姿を変える。地平線の近くで瞬いていたエメラルドグリーンの光は、気がつくと全天にわたり、時折ピンク色に輝いた。自然が演出する幻想的な光のショーを白い息をはきながら見守った。(写真・文:写真報道局 桐原正道/SANKEI EXPRESS (動画))