2014年ソチ冬季五輪会場。競技は、ロシア・ソチの市街地から約40キロ南東にある黒海沿岸の「アドレル」と、アドレルから約45キロ離れた山岳地域の会場「クラースナヤ・パリャーナ」の2カ所で実施。(C)Google【拡大】
完璧なエアと安定したターンで4位通過した予選1回目とは別人のようだった。スタート直後にターンが乱れ、第2エアの手前では体勢を崩した。そのまま踏み切り、最高難度の軸をずらしながら3回転する「コークスクリュー1080」を敢行。着地が左方向に流れ、滑る位置がずれて大きく減点された。とっさに難易度の低い技に変える選択肢もあったが、こだわってきた大技と“心中”する結果となった。
「残念なレース。悔しいし情けない」。観客席で最終3回目を呆然(ほうぜん)と眺めた後、やっと取材に答えた。それでも、バンクーバー後の4年間は、「一切手を抜いたつもりはなかった」と、胸を張れる。筋トレでバランスを崩しても持ち直せる体幹の強さをつくった。最高難度のエアも取得し手応えをつかんで臨んだが、味わったのは五輪の厳しさだった。
平昌で「借り返したい」
千葉県船橋市で生まれた遠藤は、家族でペンション経営をするため福島県猪苗代町に移った。小学生のときに母の由喜子さん(55)に勧められてモーグルのジュニアチームに入る。「猪苗代はモーグルに出会って強くしてくれた場所」と、郷土への思いは強い。