いまや日本男子フィギュアのエースと呼ばれるようになった高橋大輔選手(27)=関大大学院=との出会いは、2人ともまだ小学生だった10歳か11歳のときでした。
大ちゃんとは同級生で、最近取材したとき、当時の私のことを覚えてくれていました。2人ともジュニアのさらに下のノービスの大会に出ていたころからの付き合いです。初めて一緒に行った遠征は今でも記憶に残っています。中学1年のときにスロベニアで行われた国際大会「トリグラフトロフィー」。春に開かれるこの大会に派遣されることは、当時のノービス世代の目標でもあったのです。
第一印象の大ちゃんはすごくシャイで、私が話しかけると、「えっ、俺に話しかけているの」っていう感じで、オドオドしていました。
そんな大ちゃんが、当時も今も少しも変わっていないのは、とにかく踊ることが大好きなところです。音楽がかかったらどこでも踊り出す男の子でした。人のまねもすごく得意で、スロベニアの大会での私の振り付けを今でも「友加里のこの振り付け好きやねん」と、踊ってくれたりします。スケーターにとって、見たままを模倣して踊るというのは、一つの才能でもあるのですが、大ちゃんはまねする力がすごく抜群でした。