米国の自動車出荷額の推移=1992年~2013年、※データ:米国勢調査局【拡大】
グラフを見てもわかるように、米国で生産されているクルマの出荷額は1997年以来、ライト・トラックがオートモービルを圧倒している。
米国がライト・トラックに高関税をかけたのは63年と、50年以上も前である。当時、米国は民主党のL・ジョンソン政権で、フランスと西ドイツ(現ドイツ)が輸入米国産チキンに高関税をかけたのに対抗して、ブランデーなどとともにライト・トラックへの25%関税で報復した。米欧は61年以来チキン問題で激しく応酬してきたことから「チキン戦争」と呼ばれ、64年に終結した。しかし、64年に大統領選挙を控えているため、民主党支持基盤の一大勢力である全米自動車労組(UAW)の要請を受けてライト・トラックの25%関税だけはそのまま残し、現在に至る。
つまり、ライト・トラック関税は極めて政治的な動機によって堅持されてきた。しかも、グラフからも推測されるように、ライト・トラックは年々重要性が高まり、ビッグスリーの死活がかかっている。その関税を撤廃することに、米自動車業界もUAWも重大な危機意識を持つのだ。